韓流スターやK-POPアイドルたちの兵役受け皿だった「義務警察」が廃止される背景

「まさか」と言うべきか、「やはり」と言うべきなのか。そんな声が聞こえてきそうなニュースが7月24日に明らかになった。

複数の韓国メディアが報じたところによると、韓国警察庁は2023年度までに「義務警察」制度を完全に廃止する方針を決めたというのだ。

 

兵役の代替え制度である「義務警察」

義務警察とは警察の一種だが、正式な警察官ではない。韓国では成人男子に約2年間の兵役が義務づけられているが、警察の組織に身を置くことでそれが兵役となる軍代替制度のようなものである。

現在、日本でも人気のK-POPグループである東方神起のチャンミン、SUPER JUNIORのシウォンなどが義務警察で兵役に就いているので、その名を聞いたことがあるだろう。

また、「義務警察」といっても殺人事件の捜査や凶悪犯罪の取り締りなど、刑事ドラマのようなことをするわけではない。義務警察官はあくまでも軍人として警察業務をサポートするという形で、主な任務も交通整理、防犯パトロール、集会・デモ管理などだ。

前出した芸能人たちは、学校や地域コミュニティを訪ねて公演活動などを通じて犯罪防止や安全対策などの啓発活動を実施する、広報団や警察楽団に属している。

 

新政権の政策も関係している?

警察庁によると、現在2万5911名が義務警察に従事しているが、来年から段階的に20%ずつ減らし、2023年までに義務警察制度を完全に廃止する方針だという。

その代わりに新しく警察公務員を1万人以上増員せねばならないが、その決断に踏み切った背景には新しく政権の座に就いた文在寅(ムン・ジェイン)大統領が掲げる公約も関係しているのだろう。

文大統領は選挙時に公約として「公務員81万人の増員」を掲げており、先に発表した「100大国政課題」の中にも雇用創出について言及した。

それが実現できれば義務警察を廃止しても問題ないという狙いもあるのだろうが、このタイミングでの義務警察廃止発表は、何も新政権の政策だけが原因ではないような気がする。

というのも、警察庁は真っ先に削減していく対象として広報団や警察楽団を挙げているのだ。

 

「芸能兵」も不祥事で廃止された…

これは韓国芸能界にとっては衝撃が大きいと言わざるを得ない。というのも、義務警察は芸能人たちの受け皿だったからだ。

もともと韓国には“芸能兵制度”というものがあったが、人気タレントやK-POPアーティストたちの相次ぐ不祥事によって2013年に廃止に。代わって義務警察が、兵役対象年齢に差し掛かった芸能人たちの“新しい受け皿”になっていた。

というのも、義務警察は2か月に1度のペースで3泊4日の休暇が与えられたり、一般兵に比べると日常的に社会と接する機会が多い。警察庁公式サイトにもこんな文面があった。

「週45時間勤務、週2日休業保障で十分な余暇生活をすることができます。週1回の外出、2カ月ごとに3泊4日の定期外泊、軍勤務と同一の定期休暇(28日)など多様な営外活動を保障します。民主的で水平的な同僚関係で自由で活気に満ちた生活の雰囲気があります」

そのため、近年は義務警察を選ぶ芸能人たちが多くなっていた。今年はBIGBANGのT.O.PやJYJのキム・ジュンスも義務警察に入隊した。

ただ、その志願者が増えるにつれて、義務警察が“芸能人たちの特恵性兵役解決窓口”になってしまっているという指摘も多かった。

そんな中で今年6月に発覚したのがBIGBANGのT.O.Pの大麻吸引事件。義務警察入隊前の昨年10月の出来事とはいえその余波は大きく、それが廃止への引き金になったのは容易に想像がつく。本欄でも以前懸念していたことが起こってしまったわけだ。

気になるのは、今後の展開だろう。韓国メディアの情報を総合すると、警察庁は来年度から芸能人を義務警察要員として選出せず、来年末までには警察広報団や警察楽団を廃止する方針だという。

つまり、今後、兵役対象年齢になった芸能人たちは、チャンミンやシウォン、ジュンスのように義務警察で兵役問題を解決できなくなる。

今年もイム・シワン、カン・ハヌル、チャン・グンソクなど大物スターたちが入隊タイムリミットを迎えるが、果たして彼らがどのような選択をするのか……気になるところだ。

【出典】https://news.yahoo.co.jp/byline/shinmukoeng/20170724-00073679/

 

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